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文化 (動物) : ミニ英和和英辞書
文化 (動物)[ぶんか]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ぶん]
 【名詞】 1. sentence 
文化 : [ぶんか]
 【名詞】 1. culture 2. civilization 3. civilisation 
: [か]
 (suf) action of making something
: [どう]
 【名詞】 1. motion 2. change 3. confusion 
動物 : [どうぶつ]
 【名詞】 1. animal 
: [もの]
 【名詞】 1. thing 2. object 

文化 (動物) : ウィキペディア日本語版
文化 (動物)[ぶんか]
この記事では生物学における文化(ぶんか)という用語・概念について解説する。生物学では文化とは、
* 文化人類学上の文化概念を、今西錦司が動物社会にまで敷衍させて用いたもの〔岩波生物学辞典 p.1248【文化】〕。その「文化」というのは、文化人類学者によって表現が異なるが、例えばLinton(1945)によって「習得された行動と行動の諸結果の総合体であり、その構成要素があるひとつの社会のメンバーによって分有され伝達されるもの」とされたような概念である〔岩波生物学辞典 p.1248【文化】〕。人間の文化と区別する意味で、「カルチュア culture」、「サブカルチュア sub-culture」「プレカルチュア pre-culture」とも言う〔岩波生物学辞典 p.1248【文化】〕。
*動物の行動における、個体間で伝達継承される、後天的に獲得された行動全般のこと(行動主義的な用法)。一般には文化は、人間とその他の動物を分けるためのものとして定義されるが、動物にも認められるという考え方に基づく。
== 概説 ==
生物学の領域では、上述のごとく(人間の文化と区別しつつ、「カルチャー」ではなく)「カルチュア」「サブカルチュア」「プレカルチュア」という用語が用いられている。また文化的行動 cultural behaveior という用語も用いられている〔岩波生物学辞典 p.1249【文化的行動】〕。文化的行動とは、動物において、その種全体ではなくて、特定の個体群あるいは集団だけに観察され、かつ世代を超えて伝承される行動を指して用いられている〔岩波生物学辞典 p.1249【文化的行動】〕。こうした行動の例としては、例えば、チンパンジーの果実割りの行動、イギリスのカラ類に見られることがある牛乳瓶の蓋開けなどを挙げることができる〔岩波生物学辞典 p.1249【文化的行動】〕。特にチンパンジーの行動では、道具の使用、ノンバーバルコミュニケーション、食性などが、地域ごとに著しく異なっていることが知られている〔岩波生物学辞典 p.1249【文化的行動】〕。
また、ニホンザルの群れについては、日本人学者による研究によって、新しい行動の 伝播・分有・伝承の過程が明らかにされた〔岩波生物学辞典 p.1249【文化的行動】〕。
文化と言えば一般には、人間の文明を支えるもの、とされ、民族によってさまざまな文化が継承されていることが知られている。そして一般には、文化は人間に特有のもの、と見なされている。
しかし、これが本当に人間に固有のものであるかどうかを考えるためには、他の生物と比較できるような形で、文化を定義する必要がある。そのような立場から考えた場合、文化は何にかかわるものかと言えば、個体の行動や個体間の伝達に関わるものであるから、それが生態学行動学の分野の問題であるということがわかる。行動学においては、行動を支える仕組みによって分類する考え方があり、生得的に決まっている行動を本能行動、後天的に、経験によって身につけた行動を学習行動、および知能行動などと分類する。生得的な行動は遺伝子レベルで決まっているものである〔宮地(1969)p.116〕。
この立場で考えれば、文化やそれに基づく行動は遺伝的に決まっているわけではないから、後天的なものに含まれる。しかし、一般的な学習行動とは異なり、個々の個体がその行動をそれぞれ独立に、試行錯誤的に身につけるものではなく、決まった型を前の世代から伝えられる事で身につける。その伝え方には、先行世代が積極的、具体的に教える場合もあれば、後発世代が先行世代を模倣することで身につける場合もあるが、方法はともかく、遺伝子によらずに、しかも個体間で伝達されることが重要な特徴である。また、そのために文化というものはその集団の多数の個体に共有されることも特徴である〔宮地(1969)p.116〕。
このように行動主義学的に考えた場合、文化とは、以下のようなものである〔宮地(1969)p.116〕。
*動物が後天的に身につける行動であるが、その内容は他の個体から伝えられる事で身につけるものである。
*ただし、その伝達には遺伝子が関与せず、個体間の情報伝達による。その伝達方法も文化的行動に依存している。
*そのような伝達の結果、ある集団を構成する個体の多くが、一定の状況下で、ある程度同じ行動をするようになる。
もし行動が遺伝的・生態的に決定され、遺伝的な形質に基づいた再発明にのみに依存しているのならば、同種の異所的な集団であっても同じ行動が見られるはずである〔ただし異所的な同種が同じ行動をとっている場合、それを文化とみなさないわけではない〕。しかし現在多くの哺乳類や鳥類の行動変異のクラスターが地理的なクラスターと一致することがあることが判明されている。もしこの変異が遺伝的な変異に基づかないのならば、他個体からの学習による後天的な違いと考えられる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「文化 (動物)」の詳細全文を読む




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